オタクの排他性よりもヲタの排他性を考えることに…いや、なんでもない。

去年、コスプレダンパ「Club Lovers」の主催でDJの後藤王様とイベントでご一緒しまして、いろいろな話が聞けました。印象に残ってるのは
「何年もかけて普通のクラブミュージックかけても盛り上がる環境を作り上げた」といった趣旨の発言ですね。
こういった努力の上に今のオタクイベントの隆盛があるんじゃないかな、なんて思ったものです。




■サンプル1■
さて、俺はヲトメロナイトというアニソンイベントのDJを第一回からやってますが、その第一回のプレイについて友達にこんなことを言われました。
「Remixはよくわからないなあ」
アニソンにそんなに詳しくないから、と思って持っていったシャープネルとかのトラックがいまいちうけなかったんですね。
ハルヒとかひぐらしとからき☆すたとか有名どころで攻めたんですがねぇ…

彼とは「あややナイト」で知り合って、その後も魅惑のクニオ♂さんの主催するハロプロ系クラブイベントで何度も顔をあわせるようになり、
どっちかというとアニオタであることがわかってからはよく話すようになり、いつしか彼はmixiプロフィールや日記で自身を指して「クラブ系ヲタ」
という言葉を使うようになっていたから、その彼からの発言はある意味衝撃でした。
まあぶっちゃけお前「クラブ系ヲタ」とか自称してちょっとガチのクラブミュージック寄りの音になったくらいでそれはねーだろwwwwwwwwというわかりやすいほどの選民意識を下地にした嘲笑の言葉が喉まで出掛かりましたが、言いませんでした。今でも彼は「クラブ系ヲタ」を自称していますがハードコアやトランスは苦手みたいです。(例外としてイオシスの東方アレンジは大丈夫らしいです。)DENPA!!で回すからおいでよ!って誘ったときも早々にリタイアして他のヲタ仲間とDSでピクトチャットしてたしなぁ。


■サンプル2■
自分は地下アイドルが好きなのでp3kでは知り合いの地下アイドルの子にライヴをしてもらうのですが、あるアイドルのファンの方に言われました。
「●●ちゃんのライヴの時間までどうしてたらいいかわからない」
俺は「適当に踊ってたら?」って言ったのですが、「どう動いていいかわからない」って言われて、困ってしまいました。
まさかヲタ芸しか踊り方を知らない」とは思ってなかったもので…
まあ、会場である浅草Stellaはフードメニューが充実してておいしいので「じゃあ食べたり飲んだりしてるといいかも」と切り抜けましたw



■サンプル3■
アキバ系アイドルとして有名な「FICE」は年間200本近いライヴをやっています。いかなるブッキングでもこなす彼女たちはクラブでのライブもやります。
で、FICEのヲタの皆さんはクラブにくると一箇所にまとまってライヴの時間まで休んだりしゃべったりして過ごし、ライヴの時間となればステージ前に集合し、
見事なヲタ芸を打ちまくります。で、終わったら物販のある場合は物販へ行き、そうでない場合は終了まで休んでたり、帰れる時間なら帰るわけです。
DJは完全に無視です。まあ、よく呼ばれるイベントのDJが主にHIPHOPだから仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんが。





アイドルヲタやってみてわかったのは、こういうことは珍しくないんですよね。ハロプロ系クラブイベント「爆音娘。」が成立し得たのはたまたま
音楽ライター/編集者としての顔を持つビバ彦さんという存在がいたからだったんですが、そこで出会ったヲタの中には現在p3kのDJをやってる
S@*Cやつっちーのような奴もいれば、「本当にハロプロしか音楽を聴かない」という人もいました。
いや、こういうイベントに来ない「もっとガチな層」もいるわけですから、排他性をいうならアイドルヲタはものすごく高いと思います。

仕方ないのかな、とは思うんですがね。ある種の宗教に近い関係性になっちゃうのがアイドルとファンの関係が抱える危うさだし、そういう「信者」を
どれだけ抱えられるかが「ビジネスとしてのアイドル」に求められる要素なんでしょうし。(そう考えるとアイマスって残酷なまでに「獲得ファン数」
を数値化されて、低い数値であれば引退というバッドエンドに至るわけだからものすごく「アイドルビジネス」の本質をゲーム化してるんだな)

12回に及ぶ試行錯誤の結果がこれだよ!

2005年からpopuler3000(以下p3k)をやってきた。単純に俺の好きなものを全部かけられるようなイベントがほしい!と思って始めたわけだが、
内容はともかく客の入りはあまりいいとは言えない。12回やって黒字が出たのは3回だけ。いろいろ考えたが、どう考えても原因は俺です。
本当にありg(ry

つまり、俺の趣味の幅があまりにも広範囲なのでそれを全部やったら焦点がぼやけてしまった、と。

だめだこんなことしてたんでは。広範囲な音楽をそのまま一晩で受け入れられるのは少数派だ、ということを受け止めざるを得ない。
しかもそういう人はいつのまにかDJになっていて出演者になってしまっている!(現レギュラーDJの[晋]西村くんやぱとさんは元はお客さんでした)

最近は俺もめっきりニコ厨だし、S@*Cがつっちーを連れてきてShinydevil.core2duoとして復帰して以降はハードコアやナードコアのテイストが
濃くなってきている。DENPA!!などのイベントの影響もある。ここらで一度仕切りなおそう。方向性を決める柱のようなものを据える必要がある。

なにがいいか、考えた。考え事をしながら仕事してたらあからさまに動きが鈍ったので上司に怒られた。

で、やはりp3kの今のラインナップを保ちながら一定の方向性を持ち、なおかつ一見ジャンルとして認知されてるような言葉はなにかといえば、

 ナ ー ド コ ア しかなかろうと。
ナードという言葉は「OTAKU」が国際的に通用するようになってからめっきり聞かなくなったがいわゆる一般的な「オタク」のイメージも含みながら
他のテイストにもある程度フォローが入れられる分視点としては悪くない。それに、「ナードコアテクノ」と「ナードコア」は俺の周辺では別概念と
いう扱いなんだよね。「ナードコア」は「ナードコアテクノ」を含みながらもっと広い。

ナードコア的に考えてそれはアリか?ナシか?という価値基準を今後のp3k運営の基本方針に組み込もう。

でもナードコアって打ち出したからってじゃあナードコアテクノから派生して現在国際的な認知をされている「J-CORE」の人を呼びまくるのかとか
そういうことではないと思う。いや、赤さんとかテクノウチさんとか呼びたいけどね!

ナードコアって、もっとなんというか「誤読していくポップセンス」だと思うんだよね。
偶然にも「ポピュラー3000」の「ポピュラー」は「popular」じゃなく「populer」と表記してる。
これは単に俺がバカだから起きたミススペリングなんだけど、ほら、もう既に誤読が始まっているwwww

だからきっと、「誤読したポップセンス」を持つラインナップを集めたら、ジャンルをクロスオーバーしながらも奇妙に統一感をもつイベントに
できるんじゃないかと思ってる。実際にはこれまでと何か変わるわけではなかったりするんだけど、ただ、お客さんに対しての配慮がなかった。
とっかかりになるキーワードを示さなかったのは明らかな失敗だった。自分がわかっていることを他人がわかっているかどうかはわからない。
そんなことに気付くまでに2年以上かかったよ。
あげく毎回やるたびにテイストの変わるDJ(←俺)がいるんじゃリピーターなんざつかないよね!ごめんね!

ナードコアって言葉は知ってる人は知ってるし、ググればある程度わかったような気分になれるくらいのことは見つかる。

でも解釈次第でナードコアというものはまったく違う表情を見せたりする。

例えば[晋]西村くんはブラジル音楽のドラムンベースRemixをかけるDJなんだけど、彼が言うには「これはナードコアなんですよ!だってね、これの原曲ってのは向こうでは懐メロ歌謡曲や演歌みたいな扱いのものなんです。それをこうやってRemixしてるっていうのはシャープネルが美空ひばりをネタにしてガバ作ってるのと本質的に同じなんですよ!」ってことらしい。力説された。

まあ、言われてみるとそうかな、と思う。自分の国の誰でも知ってるネタでトラック作る、ってのはナードコア的ではある。

そういやーYoutubeに米国版ドラゴンボールベジータの台詞「Over9000!」をサンプリングしたハードコアの曲があったな。あれもナードコアだ。

ああ、もっとわかりやすいものがある!JAKAZiDの「Cillit Bang」なんかまさにそうじゃないか。(あれはまあほんとに日本のナードコアの影響下で
生まれたトラックだろうけどね。おそらくはバブルBあたりがきっかけでしょ?ああやって映像つけてYoutubeにうpるとかさぁ)

一応「Cillit Bang」貼っておこう↓

閑話休題

だからこれからp3kは「ナードな視点でポップを再発見していくイベント」としてやっていこうと思う。

さて、ではここからはこれまでの12回で実感したことを軸に粗語を展開していこうか。

D-YAMA(DIGIn@tion,DENPA!!,オタリズム)


主動力源はテキーラ、得意科目はエロゲ、東方、エレクトロ。DIGIn@tionやDENPA!!などオタク系イベントでのアニソンDJとしてクローズアップ
されることが多い彼が今回は原点に帰ってJiNG*da*RaWとのエレクトロBack2Backでプレイ!Beats,Bleeps,noise,and Tequila!