こういうことを考えてDJしたことがあった

以下の文は一種の思考スケッチであり、文脈が飛びまくるのは仕様ですw

Vocaliodは自ら「歌詞」を生成できないし、入力された文字列の「意味」を考えることもない。
ゆえにどんな文字列でも音程情報と一緒にさえなっていれば発音する。

「空耳」というものがある。大体は「海外の曲の歌詞が日本語に聞こえる」とかそういう類だが
東方曲のいくつかに勝手に歌詞をつけるパターンのように「メロディからなんとなく合う言葉を
入れてしまう」というのも一種の空耳だと思う。

例:「狂気の瞳」 の ♪こんぶだしきいてるよ かつおとこんぶのあわせわざ♪
  「プレインエイジア 」 の ♪じゃのめのゆーめいじん♪
  「月まで届け、不死の煙」 の ♪にゅーくれらっぷー♪
  「竹取飛翔」 の ♪えーりんえーりんたすけてえーりん♪   など

(今こうやって例をあげたら何でか知らんが永夜抄ばっかりだな)

人間の思考は言語により構成される。文字情報で目から得たものを脳で処理して発声することで音声言語として成立させる。
言語に限らないが脳のデータベースにはなんらかのタグのようなものがつけてあってそれをたよりに検索することで
情報を整理してるのではないか、という説がある。記憶野である「海馬」の物理的な大きさから容量を考えると
かなり高密度に圧縮してあるというのもなんとなくわからなくもない話だ。

上記の文の「文字情報で〜発声」のあたりは人間の行動でいうところの「字幕を追いながらカラオケで歌う」を
例にとってもらうとわかりやすい。
ゆえに処理したことがない文字列(聴いたことがない洋楽の曲とか)だと途端に詰まって歌えなくなる、なんてことは
経験のある人も多いと思う。

ここでまたVocalid初音ミクに登場いただこう。彼女は「あ」と入力すればあの可愛い声で「あー♪」と発音する。
(ソフトの画面にあるピアノロールの鍵盤をクリックしてもデフォルトの発声は「あー♪」である)
ミク導入当初、「単に声を出している状態」ですでに萌えてしまい、作業が手につかなかった経験のあるDTMerも多いのでは?
俺もそうだったw

我々は普段、ミクを一種の「電子の妖精」的な存在と考え、使用者(マスター)に話しかけたりネギを振り回したり
食べたり植えたり時にはあんなことやこんなこと(R-18)されたりという状況を想像するが、
あくまでVocaloidはソフトウェアで、自ら思考しないものである。
あくまでVocaloidはソフトウェアで、自ら思考しないものである。
大事なことなので二回言いました。

言語間の繋がりや文字列上の脈絡、という人間の脳というOS+ハードウェアの仕様の限界が存在しないVocaloid
メーカーの売り文句のとおり、「どんな歌詞でも歌えます」というわけで、こんな歌詞だって歌えるのである。

これを作った「乱数P」は自作の「乱数で文字列を吐き出すプログラム」によって生成した歌詞を
あらかじめ作っておいた自作曲のメロディに流し込んでミクに歌わせるという作風で
その発想はなかったわ」と多くの人々を驚かせた。
後にこのプログラムは改良され、メロディを自動生成しvsqファイル化する機能や
単語単位でのランダム生成によりものすごくシュールな歌詞を歌わせられるようになった。

(余談だが上記二つの動画の絵も乱数Pが描いている。口パクが合っているのはこれも彼が作った
「レベルメーターに同期してアニメーションするプログラム」によるもの。どんだけ多才なのかと。)

言語領域を離脱する『うた』とはまあ、そういうことなのである。
科学の限界を超えてやってきたミクだからできる新しい音の世界。
みんなみんなみっくみくにされてしまえばいい。